ねりものといえばはんぺん

はんぺんあいしてる

二宮金次郎の話

「最近なんか忙しそうですね」
「うん、毎日遅くまで残業してる」
「大変ですね」
「ホント冗談抜きで大変だよ」
「ねこになりたい夢は叶いそうですか?」
「とりあえず来世の話になる見込み」
「ねこみたいに毎日ゴロゴロしたいですよね」
「ゴロゴロしたいよ~」
「全力で怠けたいって言ってましたもんね」
「一生懸命怠けたいよ・・・」
「将来の夢はニートでしたっけ?」
「そう、ニート
「結構しっかりした経済的基盤が必要ですね」
「他人を当てにしないでニートになりたい」
「ひとやま当てて財産作らなきゃですね」
「その夢を叶えるために今は割り切って仕事してるよ」
二宮金次郎並みに頑張ってください!」
二宮金次郎?」
「大好きな薪拾いの合間に勉強した人です」
「うん、それ多分逆だと思うよ」
「薪拾いが好きで好きで、その合間に仕方なく勉強したんですよ?」
「悪いけど、それ絶対違うと思う・・・」
「学校とかに銅像がありますよね」
「薪を背負いながら本読んでるやつ?」
「結局、二宮金次郎って何者なんですか?」
「えっ?」
「あたしはずっと薪拾いの達人だと思ってました」
「まあ、ある意味そうなんだろうけど・・・」
「薪拾いを泣く泣く諦めて学問の道に進んだんです!」
「だから、それは絶対に違うと思うよ」
「寝ても覚めても薪のことばかり考えていたんです」
「そうなの?」
「だから銅像はどれも薪を背負ってるんです」
「そっか」
「本を読むのはついでだったんです」
「あのさ、二宮金次郎に何か恨みでもあんの?」