ねりものといえばはんぺん

はんぺんあいしてる

オトコ嫌いのねこ

人見知りのねこを飼っている友だちがいる。そのねこはよそから人が来るといつも外に出ていってしまう。客が女の場合は比較的大丈夫らしいが男の場合必ずといっていいほど姿を現さない。メスねこで男が苦手だという話だった。

昨日の夜たまたま近くで用があったのでその友だちの家に寄らせてもらった。リビングでしばらく話をしているとそのねこが現れた。今までひとりで遊びに行ったことがなく毎回別の人も一緒にいたせいか姿を見たことがなかった。

ねこはちっとも怖がる素振りを見せず普通にそばまで寄ってくる。友だちがあっちに行ってろと言ってもいなくなろうとしない。それどころか目の前で爪をとぎ始めるし、今日初めて会ったとは思えないくらいリラックスしていた。

こんなことはめったにないらしい。男特有の攻撃性を察知すると家から出ていくという話なので、僕にはそういうところが少ないのかもしれない。昔から動物や子どもになつかれるところがあるからそんなに不思議な気はしなかった。

こういう出来事が実は地味にうれしかったりする。

にゃんこ先生

ちょっと前に好きだった女の子がまるでねこみたいな人だった。ねこみたいなのは性格だけじゃなくて名前までねこみたいだったから多分ねこなんだと思う。スマホのアプリ「ねこあつめ」を教えてあげたら一生懸命ねこを集めていたし。

自分の方が先に始めたのにあっという間に彼女に追い抜かれて「とっくにコンプしたぜ!」とドヤ顔された。無駄にねこ愛が強いこともあって「にゃんこ先生」と周りからリスペクトされるほどで、人間のふりをしたねこだと思っていた。

将来の夢に「ねこに生まれ変わること」と書くほど僕はねこ好きなのにネコアレルギーなのが本当につらい。もし彼女と結婚したとしたら間違いなくねこを飼うことになるだろうけどかゆくてもくしゃみが止まらなくてもきっと耐えられる。

自由気ままでわがままな彼女が今でもやっぱり好きだ。

よくあるハナシ

「ねえ」
「ん、なに?」
「あなたには好きな人とかって、いる?」
「急にどうしたんだよ」
「ねえ、いるの?」
「うーん」
「なーんだ、いるんだ」
「どうなんだろう」
「なにが?」
「好きって言えるのかなって」
「でも、気になる人はいるのね」
「まあ、そうだね」
「どんな子?」
「よく分からない子」
「なにそれ」
「そんなの俺が教えてほしいくらいだよ」
「変わった子なの?」
「そうだね、変わってると思う」
「綺麗?」
「普通なんじゃないかな」
「ふーん」
「急にそんなこと聞くなんてどうしたんだよ」
「別に」
「なんだそりゃ」
「なんでもない」
「そっか」
「・・・」
「あれ、もしかして機嫌悪い?」
「別に」
「俺、なんかした?」
「分からないなら、いい」
「ちゃんと言ってくんないと分かんないよ」
「死ぬまで分からないままでいたら?」
「じゃあ、そうするわ」
「ばか」
「バカだと思うならちゃんと説明しろよ」
「もういい!」
「一体なんなんだよ」
「自分の胸に聞いたら?」
「あのさあ」
「なあに?」
「こっちが何もかも察してやんないとダメなのか?」
「そんなことないけど」
「そんなことあるだろ」
「もう、なんで分からないの?」
「言いたいことがあるならはっきり言えよ」
「もう帰る、知らない!」
「おいおいちょっと待てよー」
バイバイ

まわりくどいのムリ

女からのアプローチは基本的にまわりくどい。相手の気持ちが強ければ強いほどまわりくどさが増すというのは一体どういうことだろう。どう考えてもキャッチするのが難しいボールを平気で投げてくるし、取れないとがっかりされる。

もちろんそうじゃない子もいるけど多くは「察してほしい」っていうのがデフォルトな気がする。分かりにくいサインを手掛かりにアプローチしないといけないのは結構きつい。もうちょいヒントをくれればいいのにっていつも思う。

女の子は3歳くらいから女同士のバトルが始まるせいか裏の意味を探り合う技術が発達しすぎている。そのコミュニケーション方法を男相手に使われても無理だって分かってもらいたいよ。だって男はたいていみんなバカなんだから。

これまでの経験上あからさまなアプローチをしてくる女の場合、実は気がないことも多い。それにメンヘラだったりヤリマンだったりするから、あからさまなのは避けた方が無難かもしれない。きっと他の男にもそうするんだろうし。

あまりにも分かりにくすぎるサインしか送ってこないくせに適切に反応できないと全部こっちのせいになるのは理不尽だと思う。女なんてそんなものなんだからしょうがないって頭では分かってるけどちょっと優しさが足らないよね。

据え膳食わぬは

だいぶ前に女友達から恋愛相談をされていたことがあった。相手の男が共通の友達だったせいもあって相談しやすかったんだろうけど、両方知っているのは聞く方からするとあまり望ましくない。知りたくないことだってあるし。

相談してるうちにベクトルが変わって男を乗り換えることはよくある。あまりにも陳腐でワンパターンだけど本当によくある事案なんだよなこれ。最初から乗り換えるつもりで恋愛相談を持ちかける女がいたとしてもおかしくない。

自分のケースでもやっぱりそんな流れになりかけて、しかも女の方から誘ってくるという千載一遇のチャンスだったけど断った。その時いろんなことがめちゃくちゃで余裕もなくて、これ以上物事をややこしくしたくなかったから。

結果的にそれがよかったかどうかは正直よく分からない。

後先なにも考えないでとりあえず女とやっておくべきだったのかもしれない。今さら昔のことをとやかく言ってもしょうがないから、もし次こういうことがあったら迷わず手を出すって今決めた。やってから考えたって別にいいでしょ。

オトコとオンナの友情

男と女の間に友情が成立するかなんて正直どうでもいい。もちろん成立する場合だってあるだろうし、根本的に無理な場合もあるだろう。こんなの全部ケースバイケースなんだから一般化して議論してもあんまり意味がないと思う。

どちらか一方が相手に異性を感じ始めたら友情なんて多分あり得ない。今の関係を壊したくないと思ってやせ我慢してるだけってことも多いだろうし、互いに異性としての魅力を一切感じないときしか成立しないのが男女間の友情。

そんなこと分かり切ってるのに「友達ごっこ」を続けちゃうのは不毛以外の何物でもないんだよ。一度踏み越えてしまえば二度と元に戻らないのはしょうがないし、そもそも男女間の友情なんてそう長くは続かないような気がする。

どうせそのうちみんな死んじゃうんだから、もう踏み越えちゃおうよ!

見たくないもの

好きな子に会いたいけど会いたくない。もやもやしたまま時間だけが過ぎていくのを止められなくてアクションを起こしたいのにできない自分にイライラする。そんな状況でテレビドラマ版『モテキ』を観てしまって見たくないものに無理やり焦点合わせられてるみたいな気分。

思えば半年以上連絡とってなくて、いまさらどうしたらいいか分からない。だけどそろそろ何かしないといけないことは分かってる。