ねりものといえばはんぺん

はんぺんあいしてる

あの子と縁を切った話

「ねえ、聞いたんだけど」
「なに?」
「あの子と縁を切ったって本当?」
「ああ、その話なら本当だよ」
「ずいぶん仲良くしてたのにね」
「そうだね」
「なにかあったの?」
「ま、いろいろね」
「あっ、聞いたらまずかった?」
「そんなことないよ」
「じゃあ、いろいろ聞いてもいい?」
「それはダメ」
「なんでよ」
「悪口言いたくないからだよ」
「とうせ本人にも言ってあるんでしょ?」
「なぜ分かる」
「あんた、陰口言えない性格だろうから」
「何も言い返せない」
「彼女、相当ショックだったと思うよ」
「それは仕方がないんじゃないかな」
「どうしてオブラートに包めないわけ?」
ボンタンアメが嫌いだからだよ」
「あたしは例え話をしてるの!」
「残念ながら、知ってるよ」
「真面目に話をしなさいよ!」
「いつも真面目で全力投球なのにひどい」
「寝言は寝てからにしなさい」
「実はいつも寝てるんだ、今も熟睡中」
「バカにしてんの?」
「うん、バカにしてる」
「そんなに話したくないの?」
「イエス、高須クリニック
「どこまでも話をそらすつもりなのね」
「だって、だってなんだもん」
「ったく、しょうがないなあ」
「嫌いになっちゃったんだから仕方ないよ」
「そうなの?」
「ああ、悪口が出てきてしまう」
「後でボンタンアメ買ってあげるから」
「さっき、嫌いだって言っただろ!」
「ちゃんとオブラート剥がしてあげるから」
「それで、オブラートだけくれるんだろ?」
「よく分かったね~」
「マジ性格悪いわ」
「あんたに合わせてあげてんの!」
「そりゃどーも」
「ところで、あの子の何が嫌だったの?」
「おお、強引に話を戻してきやがった」
「いいから答えなさい」
「そんなの言わなくても分かるだろ?」
「まあ、なんとなく想像つくけど」
「じゃあ、それでよくね?」
「ファイナルアンサー?」
「いや、オーディエンス使います!」
「うちら2人しかいないのにバカじゃないの」
ボンタンアメのオブラート食うから許してよ」
「じゃあ、テレフォン使う?」
「誰にかけるのさ」
「あの子」
「お前、マジ性格悪いな」