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ねりものといえばはんぺん

はんぺんあいしてる

どこからでも切れます

「あのさあ」
「なに?」
「マジックカットって知ってる?」
「どこからでも切れますっていうやつだよね」
「そう」
「それがどうしたの?」
「あれ全然切れない時あるでしょ」
「たまにある」
「それでね、お母さんがね」
「うん」
「何かの袋が全然切れなくてね、昨日キレてたの」
「それなら書いてあるとおりじゃん」
「そうだよね」
「何て書いてあればベターなのかな」
「どこからでも切れる可能性があります、とか」
「それだったら嘘にならないね」
「それか、たまに切れない時もあります、とか」
「あえて欠点書いちゃうんだ?」
「正直、マジックカット自体が欠陥品だと思うの」
「そこまで言う?」
「だって、普通に切れ目入ってる方がよくない?」
「ああ、それは俺もずっと思ってた」
「タレの袋が変なところで開いちゃうと悲惨だし」
「確かにそれは大惨事だ」
「納豆のカラシとかならまだいいけど」
「汁っぽいので失敗すると大変だもんね」
「そうなの」
「めんどくさがらないでハサミ使えばいいのに」
「あたし、お母さんに同じこと言ったの」
「そしたら?」
「負けた気がするから使わないって」
「そこ意地張るところじゃないだろ」
「挙げ句の果てに袋のタレぶちまけちゃって」
「あーあ」
「激おこぷんぷん丸で大変だったの」
「タレの袋で君のお袋さんがキレちゃったのか」
「お母さん、その後ふて寝してた」
「面白いお母さんだね」