ねりものといえばはんぺん

はんぺんあいしてる

よくあるハナシ 2

「ハルナちゃんって彼氏いるのかな」
「さあどうだろうね」
「あの子かわいいよね」
「そう?」
「そうでもない?」
「まあ、普通にかわいいんじゃないの」
「なんだか投げやりだな」
「そんなことないけど」
「うーん」
「なあに?」
「あ、いやなんでもない」
「なんなの?」
「だからなんでもないって」
「あっそ」
「あれ、もしかしてご機嫌ななめ?」
「別に」
「女の子は難しいね」
「は?」
「やっぱ他の女を誉めると気に入らないのか?」
「そんなことないけど」
「けど、なに?」
「うるさいなあ」
「俺、余計なこと言ったかな」
「そうだね」
「君だって超かわいいよ」
「取って付けたようなお世辞ありがと」
「ホントだって」
「はいはい」
「うわ、感じ悪いな~」
「どういたしまして」
「本当にそう思ってるのに」
「だったら他の女の話ばかりしないでくれる?」
「そんなことないだろ」
「そんなことありすぎだよ!」
「えー」
「どんだけ自覚症状ないのよ」
「でも、女同士でよく言い合ってるじゃん」
「なにを?」
「お互いにかわいいって」
「あなたは女じゃないでしょ?」
「まあ、そうだけどさ」
「女同士のそれは全然違うの」
「えっ?」
「多分言っても分かんないよ」
「訳が分からん」
「あれはね、一種の戦いなの」
「?」
「だから分かんないって言ったでしょ」
「なんかいろいろと大変なんだな」
「幼稚園の頃からずっとだし、もう慣れてるよ」
「俺、男でよかった」
「そうだね、バカで鈍くても生きていけるもんね」
「バカで悪かったな」