ねりものといえばはんぺん

はんぺんあいしてる

聞きたくなかった

「ちょっと聞いてくれるかな」
「どうしたの?」
「知りたくないことを知らされたんだよ」
「どんな?」
「聞いても大丈夫かな」
「そんなの聞いてみないと分かんないよ」
「そりゃそうだな」
「話せるなら話してみて」
「ある女の子からいきなり言われたんだ」
「うん」
「その子が元彼と付き合っていた時にさ」
「うん」
「アナルファックを強要されたんだって」
「え!」
「まあ、それだけなんだけど」
「えー」
「そんな情報知りたくなかったよ」
「あたしだってそうだよ!」
「でも、誰のことか分からないだけマシだよ」
「そうかもしんないけど」
「本人から直接これを言われたんだよ」
「きついね」
「アナル経験を突然告白されても困るわ」
「でも、なんでそんなこと告白したのかな」
「ほんとだよ」
「その子、あたしも知ってる子?」
「それ答えなきゃダメなのかな」
「うそ、知ってる子なんだ・・・」
「あの、俺まだ何も答えてないんだけど」
「その受け答えから考えたら分かるよ」
「まあそうだよな」
「そんな情報ほんといらないよね」
「会うたびにアナルファックが頭に浮かぶ」
「かわいそうだね」
「気持ちを分かってくれてありがとう」
「だけどさ」
「ん?」
「その子にふざけたあだ名つけてるでしょ?」
「どうして分かる」
「ねえ、どんなあだ名つけたの?」
「アナルファックを強要された人」
「なにそれ」
「その子につけたあだ名だよ」
「まさかそれ本人に言ってないよね?」
「さすがに言えるか」
「よかったー」
「俺の脳内限定で呼んでるだけだから」
「ちょっと安心した」
「そこまで俺のことバカだと思ってんの?」
「あなたは言いかねないから」
「いくらなんでもそれはないわ」